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豚汁模型!

鉄道模型のごった煮をゆるくほそぼそ楽しむブログ

2024'04.29.Mon
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2016'05.31.Tue
お久しぶりです、なんていう枕詞を使わないくらいに更新をしたいと思ってはいるのですが、なかなかうまくいかないものです。
 というわけでお久しぶりです。4月の末に行われた上毛電鉄の大胡車庫でのイベントに行ってきたので、覚書でも書いておこうと思います。

 最近は興味を引く魅力的な電車も少なくなってきたので、撮影目的で出かけることも少なくなりました。というわけで、そろそろ去就が黄信号な車両を出かけついでにちまちまと撮影。


 具体的な発表はまだないですが、両者ともそろそろ何かしらの発表があるでしょう。ちなみに下の115系は、現状では2本しかないサハ組み込み編成のようです。


 さて、上の115系に乗って着いた先は桐生です。そこから上毛電鉄の発着する西桐生に乗り換えるには歩くことになるのですが、これが歩いてものの5分程度。これだけの距離ですから国鉄駅に隣接した立地に出来なかったのかとは思いますが、おそらくかつての繁華街はこちらにあったのでしょう。地方私鉄の駅の立地としてはよくあることです。
 西桐生のプラットホームに入ると、出迎えてくれたのは元京王3000形。2両編成が大変好ましく、この車両が似合うレイアウトを作ってやりたくなります。

 のどかな沿線風景に見惚れつつ電車に揺られ、大胡駅に到着。コンパクトにまとまっていますが、駅員配置駅としての機能は過不足なく整っている姿が何とも好ましい駅です。
 さて、このまま車庫を見に行ってもいいのですが、どうやら目当ての電車が来る時間までそうないようですので、駅の周辺を色々と探索します。
 
 大胡駅は今や貴重になった構内踏切のある駅で、車庫や線路関係の建物も含め、小レイアウトの見本としてはまさにうってつけです。

 おそらく現存はこれともう3台(東武博物館に1台と、花巻市に2台)という雨宮製作所製の電車用台車が側線に無造作に置かれていましたが、いいんでしょうかね? 上毛電鉄が客寄せ保存のためにわざわざ引き取ったものと記憶しますが、隣にある、これも無造作に置いてある東武5700系用の台車とともに、今後の処遇が気になります。

 そうこうしているうちに、お目当ての電車がやってきました。2016年現在で御年88歳という超長寿のデハ101です。このクラスの電車で動けるのは、もはや一畑電鉄(あえてこの名称でw)のデハニ50と琴電の旧型車と、あとはこの電車しか無いのではないでしょうか。そしてこの電車がすごいのは、イベント時や貸切列車のみとはいえ、営業線上で乗車できるということです。邪魔者(失礼!)がおらず自分の走りだけに集中できる動態保存車とは違い、ほかの列車の邪魔にならぬよう、それなりの速度で走らねばならない営業線での運転は大変に貴重で、もはや国内で乗れるのはここだけなのではないでしょうか。
 もちろんここで乗ることもできるのですが、ここでは撮影するだけにとどめ、車庫に向かうことにしました。

 今回訪れた最大の目的は、この車庫をじっくり見学すること。現在所持している鉄コレや、密かに進む大きい模型の購入計画から察するに、これくらいの規模の車庫モジュールが欲しくなることは明確ですので、それらの参考にすべく以前から注目していた車庫なのでした。

 登録有形文化財にも指定されたこの木造車庫、舐めまわすように(^^;)いろいろ見てきました。

 模型の参考になるようにと、カメラのフラッシュを使いまくったためにこの車庫だけでバッテリー1つ使い切ってしまうくらい、膨大な枚数の写真を撮りました。全て掲載するわけにもいかないので、私視点で面白いと思ったものをいくつかご紹介。

 現役ではないようですが、昔ながらのベルトで連動するタイプの旋盤加工室が残されており、見学者は自由に中を見ることができます
 
 加工室のメイン機械である旋盤です。これもベルトで伝えられた動力によって動きます。旋盤は金属のねじ切りや表面削りを行うものですから、車輪の転削などがこの機械室で行われたのでしょうか。

 こんなものも見つけました。おそらく、下にある箱の中にくず鉄を入れて、上にある空気圧で作動するタイプのシリンダーで押し付けて、くず鉄をぺしゃんこにするものと思います。注目すべきはシリンダーの形状で、これ、台車にくっついているブレーキシリンダーではないでしょうか。鉄道の修理工場ならではの再利用品ですね。

 さて、工場設備だけでは飽きてしまいますから、ここからは車両です。こちらは先ほどのデハ101と同形式のデハ104です。デハ101とともに残された旧型車で、デハ101とは違い黄色をまといます。上毛電鉄は1980年代に西武の旧型車に統一されて雑多な旧来からの車両は一掃されるのですが、それまでの車両がまとっていたのがこの黄色です。この2両が残されたのは、かつて三俣駅にあった製油所への貨物輸送があったためで、電気機関車を保有していなかった上毛電鉄は、小回りが利いたデハ100型を貨物輸送用として2両だけ残したのでした。電気機関車を保有しておらず、やむを得ず残したこの2両が、現代では観光資源になるのだから面白いですね。

 先ほど「上毛電鉄は電気機関車を保有していない」と言ったばかりですが、電気機関車の紹介をします。といっても、客寄せ保存目的で東急から譲渡された機関車なので、上毛電鉄とは関係のない車両です。
 1926年に川崎車両で製造されたデキ3021です。上のデハ100型が同じく川崎車両で1928年に製造された車両ですから、同郷の車両が80年の時を超えて出会ったことになりますね。
 川崎車両ではこの車を標準車として各私鉄に売り込みたかったらしく、同型車として山形交通や伊勢電(後に名鉄に買収)の車両があります。もっとも、そのころの主流であったウエスチングハウス製や、ウエスチングハウス製の機関車を国内でコピーした車両ほどには普及しなかったようです。
 実車は長く東急唯一の機関車として主に工場内の入れ替えに活躍していましたが、2009年についに用途を失って解体の運命にあった所を、上毛電鉄に救われる形でこの大胡にやってきました。
 車籍がないので本線運転はできませんが、構内での運転は可能で、イベント時などでは元気に動いているようです。この日も乗車体験などで構内を行ったり来たりしていました。

 この貨車も上毛電鉄とはあまり関係のない貨車です。東武鉄道テ200形テ241です。
 形式が示す「テ」は鉄製有蓋車の印であり、このカテゴリーは湿気を嫌う荷物を運ぶために作られた車両で、主に袋詰めセメントの輸送用として使用されました。葛生など多くの石灰石鉱山を沿線に持っていた東武や、西武鉄道、秩父鉄道、上信電鉄などにゆかりのある貨車で、養蚕で栄えた上毛電鉄にはあまり縁のない車両です。
 やがてセメントの輸送が袋詰めではなく、ホッパ車などで直接運ぶ方法が主流になるとあまり使用されることはなくなり、この車も東武野田線の七光台車庫で工事用兼倉庫として残されていたものでした。
 やがて上記のデキ3021が上毛にやってくる際に一緒にやってきた車両で、電気機関車の相方が欲しかったのでしょうか。いずれにせよ、消えていく運命にあった車両が残されたのは意義があることですね。

 さて、車庫の話はこれくらいにして、いよいよデハ101に乗り込みます。

 大胡駅に滑り込んでくる古老。イベント時のみとはいえ、乗車区間の切符を持ってさえいれば、営業運転ならではの本気の吊りかけサウンドを体験することができるのです。これは本当にすばらしいことです。

 車内の雰囲気も大変に素晴らしい。白熱灯に照らされた木目の麗しい車内に響き渡る吊り掛け電車特有のモーター音と、「パスパスパスパス」という頼りないコンプレッサー音。「タイムスリップしたような」という言葉はよく使われますが、本当に当時そのままで、感動しきりでした。スマホに車内の音も入った動画を撮ったので、いずれYoutubeかどこかにアップしようと思っています。

 デハ101は中央前橋に滑り込みます。この駅も国鉄駅から離れて建設されました。小私鉄らしくこじんまりとしていながらも、地域の私鉄の終端駅としての風格は充分にあり、前から好きな駅でしたが、訪れてみてもっと気に入りました。

 中央前橋は川沿いにある駅なのですが、その川と駅のバランスが絶妙で、大胡駅だけでなくこういう駅もレイアウトに取り入れたくなります。いい駅です。
 折り返しのデハ101に乗ることもありあまり見る時間が取れなかったので、次回は駅目当てで訪れたいところです。そういえば、福島交通の飯坂温泉も川沿いの終端駅として好きな駅で、一度訪れてみたいですね。


 さて、帰りもデハ101に乗って、そのまま西桐生まで行きたいところですが、大胡に入庫してしまうので、やむなく大胡で降りて後続の普通列車に乗り換え、上毛電鉄を後にしました。
 上毛電鉄は以前から伺うチャンスをうかがっていたのですが、予想以上に素晴らしいものでいっぱいで、もっと早くに訪れておくべきでした。また機会があれば行きたいと思います。


 帰宅時も去就が心配される車両を記録しながら、家路につきました。

 ここまでご覧いただきありがとうございました。それではまた(^^)ノ

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無題
こんにちは ご無沙汰です。上毛電鉄、駅も車庫も素敵な佇まいですね。こんな雰囲気の架空鉄道のモジュールなんて造ったら楽しそうですね・・今年はいよいよ国鉄さんとお別れ本番になってしまいそうですので、最近は今まであまり見てこなかったローカル私鉄の駅なんかもいいなぁと思ってます。国鉄との乗換駅なんかもいいですね。
まさる: URL 2016.06/03(Fri) 23:32 Edit
無題
まさるさん、ご無沙汰しております。
急曲線でも違和感のない短い車体と、つながっても3両までという編成の短さは、まさにホームレイアウトやモジュールにうってつけのように思います。特に車庫は、その私鉄によって特色があったりして、訪れるだけでも楽しいです。
最近は減ってしまいましたが、跨線橋で隣のホームから発着するタイプや、国鉄ホームの隅から切欠きホームのような形で発着するタイプ、この上毛のように、そもそも国鉄と駅が分かれている例など、そのバリエーションは多く、大変興味を惹かれますね。
: 2016.06/07(Tue) 22:52 Edit
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