2015'11.10.Tue
前回に貨車をちょっくら、なんて話していましたが、鉄は熱いうちにということで秩父に行ってきた記録を忘れないうちに書いておこうと思います。西武秩父線の横瀬まで、西武鉄道の電気機関車を見に行ってまいりました。
そもそも横瀬などという西武秩父一歩手前の大変辺鄙な場所になぜ保存するだけの施設があるといえば、貨物を取り扱っていた時代に貨車と機関車の検査場が横瀬にあった名残なんですね。
今回、往路は池袋からレッドアローで快適な旅だったんですが、西武秩父線ってものすごい登るんですね。西武鉄道にはてんで縁がなく、初めての秩父線だったんですが、あんなところを大正生まれの古豪が登り下りしていたと思うと、いやはや凄まじいというか何というか。
そんなこんなで前置きはこれくらいにして、以前から会いたかったその大正生まれの古豪たちを紹介したいと思います。
E43、大正15年製、英国イングリッシュ・エレクトリック社製造のエリートです。
元をたどると、現在の青梅線の前身にあたる青梅鉄道が発注した機関車で、その後の国鉄買収によって国鉄所属になりましたが、EF53やEF56などの重量級が多数活躍していた国鉄で使うにはどうにも小さく、戦後すぐに西武鉄道に譲渡されます。
西武では使いやすかったのか、昭和末まで使われ、保存されたのが本機です。僚機のE44も西武廃車後に国鉄の手にわたって新鶴見で保管されたのですが、しばらく音沙汰がなく心配しておりました。幸いにして未だに車庫の奥で眠っているようで、ひとまず安心しています。
この機関車は青梅電鉄のほかにも、近鉄や東武、秩父鉄道などにも納入されており、いずれは模型でほしい機関車です。他の機関車よりも多めに写真を撮って、今後作る際の参考にしようと思います。・・・・・・うーん、金属キットですか(^^;
E61、大正13年、こちらも名門、米国ゼネラルエレクトリック社製です。
私鉄が発注したE43に対して、こちらは国鉄が発注した機関車です。国鉄が国産電気機関車の開発を行っていた時期にサンプル目的で購入した車両で、E43と同じくその小ささのために早期に西武に売り払われましたが、こちらも長い間活躍しました。
E71、大正15年、さらに米国ウエスチングハウス社製です。
この機関車だけは茶色塗装ですが、国鉄時代のED10の仕様に復元されています。なかなかローズレッドの西武塗装も似合っていたのですが、茶色のこの塗装もなかなか似合っています。
このあと紹介するE851が登場するとE71は予備車になり、あまり動かないまま昭和末期に廃車になるのですが、こうやってきちんと保存されていることで平成の世でも出会えるわけで、ありがたいものです。
E61もアメリカ製ですが、E61よりもアメリカらしい武骨な機関車で、なかなか好きな機関車です。
E51、大正12年、なんとスイスは名門ブラウンボベリ社製というサラブレットです。
イングリッシュエレクトリックやウエスチングハウスは日本でも馴染みのあるメーカーですが、ブラウンボベリという名前は日本ではあまり聞かないメーカーだと思います。このブラウンボベリ、ヨーロッパではたいそう名の知れたメーカーで、1890年設立で、なおかつ現在も鉄道車両を作り続けているメーカーです。
なぜそんな大メーカーの車両が日本で普及しなかったかというと、時計で有名なスイスらしく精巧な作りで、きちんと使えれば非常に優秀な機関車を作っていたのですが、当時の日本には精巧なスイスの機械を整備できるだけの技術がなかったのです。その結果、丈夫なアメリカやイギリスの製品ばかりが日本で広がり、精巧な技術を持つヨーロッパのメーカーは日本では普及しなかったのです。
このE51はそんなスイスの機関車の中でも、日本で働き続けた稀有な例で、もちろん保存機としては唯一の存在です。スイス製の機器類はさすがの西武でも使いづらかったらしく、後年国産品に交換されていますが、派手な改造を行わずに活躍させ続けたのは、オリジナルへのリスペクトなのではないかと勝手に思っています。
ヘッドマークも凛々しいE851です。12系を牽引して最後の花道を飾った際のヘッドマークですね。
EF60と同等の性能を持ち、私鉄最強をほしいままにするこの機関車も、華々しい活躍は製造後十数年といったところでしょうか。ぜひとも定期列車で客車を牽いてほしかったです。
NゲージではロングセラーのKATOとマイクロエースからも製品化されましたね。貨車セットは非常に魅力的で、買うかどうか最後まで迷った記憶があります。結果的にはKATOの101やマイクロの701あたりを買うきっかけにならなくてよかったというところでしょうか。
あまり興味もないのか、子どもが写っている写真で恐縮です。E31ですね。
この機関車、E851を短くしたような、このサイズとしてはなかなかかっこいい外見の車両ですが、面白いのはその中身です。台車は80系の廃車発生品DT20A、電動機は351系の発生品、つまりは国鉄でいうところの17メートル国電用MT4、ほかにも電車用の古い部品をたんまり積んだキメラのような車両です。その上製造は西武所沢工場ですから、寄せ集めの部品の集大成なのも頷けようというものです。
中身はなかなか面白い車両ですが、外見はというと、E851のインパクトが強すぎていまいちパッとしないというか、何というか。
長くなりそうなので、とりあえずこの辺りで一旦切ります。見てきた車両はまだありますので、こちらも近いうちにお目にかけようと思います。
それではまた(^^)ノ
そもそも横瀬などという西武秩父一歩手前の大変辺鄙な場所になぜ保存するだけの施設があるといえば、貨物を取り扱っていた時代に貨車と機関車の検査場が横瀬にあった名残なんですね。
今回、往路は池袋からレッドアローで快適な旅だったんですが、西武秩父線ってものすごい登るんですね。西武鉄道にはてんで縁がなく、初めての秩父線だったんですが、あんなところを大正生まれの古豪が登り下りしていたと思うと、いやはや凄まじいというか何というか。
そんなこんなで前置きはこれくらいにして、以前から会いたかったその大正生まれの古豪たちを紹介したいと思います。
E43、大正15年製、英国イングリッシュ・エレクトリック社製造のエリートです。
元をたどると、現在の青梅線の前身にあたる青梅鉄道が発注した機関車で、その後の国鉄買収によって国鉄所属になりましたが、EF53やEF56などの重量級が多数活躍していた国鉄で使うにはどうにも小さく、戦後すぐに西武鉄道に譲渡されます。
西武では使いやすかったのか、昭和末まで使われ、保存されたのが本機です。僚機のE44も西武廃車後に国鉄の手にわたって新鶴見で保管されたのですが、しばらく音沙汰がなく心配しておりました。幸いにして未だに車庫の奥で眠っているようで、ひとまず安心しています。
この機関車は青梅電鉄のほかにも、近鉄や東武、秩父鉄道などにも納入されており、いずれは模型でほしい機関車です。他の機関車よりも多めに写真を撮って、今後作る際の参考にしようと思います。・・・・・・うーん、金属キットですか(^^;
E61、大正13年、こちらも名門、米国ゼネラルエレクトリック社製です。
私鉄が発注したE43に対して、こちらは国鉄が発注した機関車です。国鉄が国産電気機関車の開発を行っていた時期にサンプル目的で購入した車両で、E43と同じくその小ささのために早期に西武に売り払われましたが、こちらも長い間活躍しました。
E71、大正15年、さらに米国ウエスチングハウス社製です。
この機関車だけは茶色塗装ですが、国鉄時代のED10の仕様に復元されています。なかなかローズレッドの西武塗装も似合っていたのですが、茶色のこの塗装もなかなか似合っています。
このあと紹介するE851が登場するとE71は予備車になり、あまり動かないまま昭和末期に廃車になるのですが、こうやってきちんと保存されていることで平成の世でも出会えるわけで、ありがたいものです。
E61もアメリカ製ですが、E61よりもアメリカらしい武骨な機関車で、なかなか好きな機関車です。
E51、大正12年、なんとスイスは名門ブラウンボベリ社製というサラブレットです。
イングリッシュエレクトリックやウエスチングハウスは日本でも馴染みのあるメーカーですが、ブラウンボベリという名前は日本ではあまり聞かないメーカーだと思います。このブラウンボベリ、ヨーロッパではたいそう名の知れたメーカーで、1890年設立で、なおかつ現在も鉄道車両を作り続けているメーカーです。
なぜそんな大メーカーの車両が日本で普及しなかったかというと、時計で有名なスイスらしく精巧な作りで、きちんと使えれば非常に優秀な機関車を作っていたのですが、当時の日本には精巧なスイスの機械を整備できるだけの技術がなかったのです。その結果、丈夫なアメリカやイギリスの製品ばかりが日本で広がり、精巧な技術を持つヨーロッパのメーカーは日本では普及しなかったのです。
このE51はそんなスイスの機関車の中でも、日本で働き続けた稀有な例で、もちろん保存機としては唯一の存在です。スイス製の機器類はさすがの西武でも使いづらかったらしく、後年国産品に交換されていますが、派手な改造を行わずに活躍させ続けたのは、オリジナルへのリスペクトなのではないかと勝手に思っています。
ヘッドマークも凛々しいE851です。12系を牽引して最後の花道を飾った際のヘッドマークですね。
EF60と同等の性能を持ち、私鉄最強をほしいままにするこの機関車も、華々しい活躍は製造後十数年といったところでしょうか。ぜひとも定期列車で客車を牽いてほしかったです。
NゲージではロングセラーのKATOとマイクロエースからも製品化されましたね。貨車セットは非常に魅力的で、買うかどうか最後まで迷った記憶があります。結果的にはKATOの101やマイクロの701あたりを買うきっかけにならなくてよかったというところでしょうか。
あまり興味もないのか、子どもが写っている写真で恐縮です。E31ですね。
この機関車、E851を短くしたような、このサイズとしてはなかなかかっこいい外見の車両ですが、面白いのはその中身です。台車は80系の廃車発生品DT20A、電動機は351系の発生品、つまりは国鉄でいうところの17メートル国電用MT4、ほかにも電車用の古い部品をたんまり積んだキメラのような車両です。その上製造は西武所沢工場ですから、寄せ集めの部品の集大成なのも頷けようというものです。
中身はなかなか面白い車両ですが、外見はというと、E851のインパクトが強すぎていまいちパッとしないというか、何というか。
長くなりそうなので、とりあえずこの辺りで一旦切ります。見てきた車両はまだありますので、こちらも近いうちにお目にかけようと思います。
それではまた(^^)ノ
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